2026年「2月県議会」代表質問 質疑応答
2026年「2月県議会」代表質問 質疑応答
10.福岡高速道路の延伸について
「福岡高速道路」環状線の「天神北」出口から「福岡県道602号後野福岡線(うしろのふくおかせん)」、いわゆる「渡辺通り」を経て渡辺通1丁目交差点までの約2.0kmの区間は、日常的に渋滞が非常に激しい箇所です。
そして、「どんたく」や「山笠」などのお祭り、ゴールデンウィーク、クリスマスや年末年始ともなると、「福岡高速道路」上でも渋滞が続き、「天神北」出口で降りたとしても、「渡辺通り」を抜けて「日赤通り」まで至るのに、場合によっては1時間以上かかることがあります。
渋滞によって救急車や消防車さえ身動きが取れないことも多々あり、地元の周辺住民にも多大な迷惑がかかっています。
国土交通省は、全国の渋滞による経済損失は年間12兆円、時間損失は1人あたり年間30時間と算出しています。
本県においては、1970(昭和45)年12月、福岡県土木部に「都市高速道路建設準備室」が設けられ、具体的な「高速道路公社」設立と高速道路建設の計画立案への取り組みがはじまりました。そして、翌1971(昭和46)年11月、福岡県・福岡市・北九州市が出資し、これらの3者が設立団体となって「福岡北九州高速道路公社」が設立されました。
当時の「福岡高速全体計画構想路線図」では、「福岡高速道路」は高速1号線から南側に放射線状に高架道を伸ばす計画案で、具体的には「天神北」出口から渡辺通を南下して高速4号線と高速5号線を造る計画でした。
その後、1995(平成7)年10月より九州地方建設局、福岡国道工事事務所、福岡県、福岡市、公社からなる「福岡外環状道路の整備方策に関する会議」が数次にわたり開催され、1998(平成10)年12月25日に「福岡外環状道路の整備計画及び工事実施計画」が許可されることになりました。
こうして、「福岡高速道路」は当初の放射線状延伸から環状線に変わり、今日の「福岡高速道路」となっています。
なお、この「福岡高速道路」ですが、環状線、香椎線、太宰府線、粕屋線、アイランドシティ線とも高架であり、高架下は「福岡外環状道路」、「愛宕通り」、「国道3号」、「国道201号」というように一般道が縦列で走っている高架構造の道路です。
①そこで知事にお尋ねします。
冒頭の「福岡県道602号後野福岡線」、通称「渡辺通り」の大渋滞の現状に鑑み、「福岡高速道路」の「天神北」出口から渡辺通1丁目交差点までの約2.0kmを高架構造として福岡高速道路を延伸することを検討すべきと提案しますが、知事の見解をお尋ねします。
○通称「渡辺通り」を含む高架構造の高速道路の計画については、
- 既成市街地の中に広幅員の道路用地を確保することが極めて困難なこと
- 高速道路より地下鉄などの公共交通機関の導入が望ましいこと
といった理由で、昭和56年に計画から削除されている。
その後、都心部に流入する車両を分散させるため、環状型の高速道路が整備され、現在に至っている。
○渡辺通りを含む都心部における渋滞対策については、国・県・福岡市などで構成する「福岡県交通渋滞対策協議会」において、パーク・アンド・ライドをはじめとしたソフト施策を中心に検討を行い、福岡市が、周辺駐車場の案内・周知や地下鉄の増便などを進めている。
○ご提案のあった渡辺通りにおける高架構造の高速道路については、路面下に地下街など多くの施設が整備されていることから、物理的に課題が多いと認識している。
県としては、引き続き、ソフト施策を中心とした渋滞緩和策について、国や福岡市とともに検討してまいる。
11.福岡市営地下鉄空港線とJR福北ゆたか線の接続について
福岡市営地下鉄「空港線」の延伸は、1990年代初頭から取り沙汰されていました。
このうち「福岡空港駅」から「東平尾公園」への延伸は1993年、空港周辺の住民で構成される協議会が福岡市に陳情を行っています。しかし、同市は1998年、東平尾方面への延伸は利用者が1日2,500人程度しか見込めず、延伸は非常に困難と市議会で説明。「篠栗線」との連絡を視野に入れ、検討する方針を示しています。
そして2016年7月には「福北ゆたか線」沿線の「飯塚商工会議所」や「飯塚観光協会」など16団体が、「空港線」を「篠栗線」・JR「香椎線」のJR「長者原駅」まで延伸することを求める「福岡市営地下鉄福岡空港駅とJR九州長者原駅接続促進協議会」を設立。翌2017年にも、「長者原駅」がある粕屋町で「福岡空港駅」から「長者原駅」間の接続を目指す協議会が設立され、2018年10月、約10万人の署名を携えて、この2つの協議会から、県、県議会及び福岡市に対して、接続促進の要望をされたと承知しております。
更に、2021年2月には、糟屋地区・筑豊地区の2市9町が「福岡市地下鉄福岡空港駅・JR九州長者原駅接続促進期成会」を設立し、県及び県議会に対して同様に要望をなされるなど、福岡市地下鉄と「福北ゆたか線」の接続を求める動きが活発化しました。
こうした、地元の機運の高まりを受けて、福岡県は2021年度6月補正予算において、「福北ゆたか線接続可能性調査費」3,012万8000円を計上し、県議会で可決しました。 これは、市営地下鉄「福岡空港駅」と「福北ゆたか線」の接続を図るため、複数のルート案の検討や将来需要予測などの調査を行うものです。
当時、私は「空港・交通インフラ調査特別委員会」の委員長を務めておりましたが、自民の川端耕一副委員長とともに「福岡市地下鉄空港線とJR福北ゆたか線の接続に関する基礎調査」に尽力して参りました。調査は2021年度に実施され、調査結果は翌2022年7月にまとめられ、公表されました。
①そこで、知事にお聞きします。
調査結果を受けて、その後県として、関係団体や福岡市とどのような協議を続けてこられたのかお示しください。
○令和3年度に県が実施した「福岡市営地下鉄空港線とJR福北ゆたか線の接続に関する基礎調査」の結果については、4年度に「空港・交通インフラ調査特別委員会」にその概要を報告したのち、糟屋・筑豊地区の2市9町で構成される「福岡市地下鉄福岡空港駅・JR九州長者原駅接続促進期成会」に対し、概算事業費、収支採算性、波及効果などの調査結果をお伝えした。
○この調査は、接続の可能性について幅広く議論していくため、ある一定の設定条件のもとで行った基礎的なものであり、現在、当該期成会において、今後どのような取組を行うかの検討がなされているものと承知している。
○また、福岡市に対しても、この調査結果を提供しており、その後もさまざまな機会をとらえて、市における検討状況の把握に努めているところである。
12.新県立美術館へのアクセス性及び大濠公園と舞鶴公園、さらには周辺地域への回遊性の向上について
『福岡武道館』の「東公園」移設、新館落成に伴い、県営「大濠公園」南側、現『福岡武道館』は建て壊され、その地に新『県立美術館』が建設されることになり、2029年オープンの予定です。
新『県立美術館』の南側は「国体道路」に面し、天神と西新を結ぶ交通の要所でもあります。更に、その「国体道路」を挟んで南側は六本松エリアにあたります。
この六本松エリアは2015年3月の「七隈線」全線開業、そして2017年にオープンした「ROPPONMATSU421」「福岡市科学館」の設置などを受け、福岡市内でも注目されるエリアとなり、東の千早、西の六本松と、まさに副都心としての様相を呈しています。特に市営地下鉄全線開通以後は、近年のインバウンド客とも併せて、大変な賑わいを見せています。
この間、私は新『県立美術館』の構想の段階から、「大濠公園」から南側、六本松エリアと連携した地域活性化に取り組むべきとの意見を述べてきました。また、昨年12月6日には「草ヶ江校区まちづくり協議会」による勉強会が「草ヶ江公民館」で開かれ、新県立美術館建設室から来て頂いた職員の方々と意見交換を行いました。
「新県立美術館基本計画」では、周辺市街地との連携による地域全体の活性化に寄与すると明記されていますが、動(やや)もすると新『県立美術館』が正面を向く「大濠公園」側からの発想で活性化が議論されている感があります。
現在、市営地下鉄「六本松」駅から「大濠公園」へといざなう道すがら、道路標識や案内板は、今はまだ見受けられません。
①そこで知事にお伺します。
新県立美術館の開館を契機として、六本松から大濠公園に至るエリアの更なる地域活性化が期待される中、国体道路側や六本松エリアから新県立美術館へのアクセス性の向上を図り、大濠公園と舞鶴公園、さらには周辺地域への回遊性を向上するためにどのように取り組んでいくのか、知事のお考えをお示しください。
○新福岡県立美術館基本計画では、地下鉄六本松駅から来館者を安全に誘導するとともに、誘客につながる方策の検討など、国体道路側に新たな人の流れを生み出すことを目指している。
○このため、主要道路、地下鉄駅、路線バス停留所からの案内表示の設置など、安全で分かりやすいアプローチの確保について、福岡市などの関係機関と連携してまいる。
また、新県立美術館は、大濠公園側はもとより、六本松エリアにも開かれた新たなランドマークとなり、建物を南北に貫通する通路「アーバンスリット」により、六本松から大濠公園に至る新たな人の流れが生まれるものと期待している。
○回遊性の向上について、県営大濠公園と市営舞鶴公園ではデザインを統一した案内看板の整備を行い、能楽堂や日本庭園、福岡城址や鴻臚館跡などの案内に努めている。
今後は、新県立美術館の開館にあわせて、大濠公園や舞鶴公園に訪れる方々を新県立美術館へスムーズに誘導することができるよう、福岡市と連携して取り組んでまいる。
また、新県立美術館の開館を機に、近隣店舗などにも気軽に立ち寄りたくなるようなマップの作成など、地域の魅力を発見する取組について検討してまいる。
13.福岡県議会の海外活動について
本県議会では海外活動に関し、超党派で作るプロジェクトチームを設置し、予算執行方法等の見直しや、活動の透明化についての検討を行っているところです。
県議会の海外活動では、各議連が主体となって先進事例や参考となる取組を視察・調査するための訪問のほか、知事の要請に応じ、県執行部の海外活動に同行し協力するものがあります。本県議会としては、こうした海外活動を通じ、県の重要施策の実現に貢献するなど、大きな効果をもたらしてきたという自負があります。
昨年5月、カタール・ドーハで開催された国際卓球連盟年次総会へ、県と共に県議会の代表団が訪問し、日本・福岡県の大会実績や魅力、意気込みをPRして、2028年世界卓球選手権大会(団体戦)の福岡県での開催につながりました。
また、昨年11月には同様の訪問団で、世界的グルメサイト「ラ・リスト」が主催するフランス・パリでのイベントに参加し、欧州市場における本県の認知度向上と観光誘客、県産品の販路拡大を目的としたトップセールスを実施して大きな反響があったとのことです。
また、訪問先の世界各国で福岡県人会の皆さんとの交流を深めており、昨年6年ぶりに福岡県で開催された海外福岡県人会 世界大会を盛会に導くことが出来ました。
①そこで、知事にお伺いします。
知事は就任以来、県議会とともに精力的に海外訪問を行ってこられましたが、県議会が同行する効果について、知事の考えをお聞かせください。
○ その効果は三つあると考える。
まず一つ目は、県として海外に訪問団を派遣する際、地方自治における二元代表制の両輪である知事と議会がともに現地を訪れ、双方が一体となって取り組む姿勢を相手に示すことで、我々の熱意や取組の実効性を相手に理解していただくことにつながる。
例をあげると、タイ王国総領事館の誘致にあたっては、県議会が主体となって、バンコク都議会との友好交流や、消防自動車の寄贈といった国際貢献を通じて培った豊富な人脈を活かされ、タイ政府要人に積極的に働きかけを行ったことが総領事館の設置に結びついた。
また、県議会がワンヘルス教育に先進的に取り組むハワイ大学との協力関係を築かれ、これを契機に、令和5年4月、県内11大学の皆様とともにハワイを訪問し、私とハワイ大学学長との間で「ワンヘルス教育・研究に関する覚書」を締結した。このことが、令和6年9月のハワイ州との「ワンヘルスの推進に関する覚書」の締結にもつながった。
さらに、ご質問にあったとおり、昨年5月、カタールのドーハで開催された国際卓球連盟年次総会に大曲副知事を派遣した際には、中尾副議長をはじめ県議会の皆様とともに一丸となって誘致活動を行い、2028年世界卓球選手権大会団体戦の福岡開催を勝ち取ることができた。
○二つ目は、現地の旅行会社やメディア関係者をお招きする観光セミナー等において、知事、執行部の職員、県議会の皆様がホスト役として対応することで、我々の意図や熱意を強く伝えることとなり、効果的なアピールに繋がっているものと考える。
○三つ目は、県議会の皆様が訪問先で知事とともに話を聞き、あるいはレクチャーを受け、また現地の状況を実際に見ていただくことで、県の課題や施策の方向性について共通認識を持っていただくとともに、海外戦略の必要性、重要性を理解いただき、円滑に施策を実行できるという効果があると考える。
例をあげると、昨年11月、県議会の皆様とパリを訪れた際、八女茶を取り扱う現地の茶商の方から、販売拡大の手法についてご提案をいただくとともに、水素モビリティ企業の社長からは、直接事業内容の説明を受け、水素モビリティの本格普及に向けた取組についての意見交換を行った。このことにより、海外戦略の必要性、重要性を県議会の皆様にご理解いただいたところである。
○このように、県議会の皆様に同行していただくことは、本県の産業振興をはじめ、様々な政策の実現に効果があるものと認識している。