6月県議会「予算特別委員会」環境部
民主県政クラブ県議団の原中誠志です。発言通告に従い、「本県の産業廃棄物対策について」質問いたします。
本県の今年度、2025年度予算案にあたり、環境部は行政代執行に係る予算として2億5千万円余を、債務負担行為として3億5百万円の合計5億5千5百万円余を計上しています。
内容は、「産廃不適正処理対策費」として、嘉麻市の産廃業者「有限会社エコテック」が所有している中間処理施設において、行政代執行による支障除去工事を行うというものです。
この問題は、今議会の一般質問において、自民党の波多江議員も質問していますので、重複の部分は割愛します。
その「エコテック」ですが、2003年8月に設立された産業廃棄物処理業者です。同施設における出火は、2006年10月に焼却炉から1回、2015年3月と4月には施設内のごみから2回のぼやがあり、そして2017年の大規模火災も含めて、4回も火災を起こしています。
2017年の大規模火災の当時、私は「厚生労働環境委員会」委員長に就任していた時であり、連日、現場に足を運び、対応と対策に奔走しました。
この時、火災の鎮圧、事案の調査などについて何度も相談させて頂いたのが同委員会の委員であった地元の吉原太郎先生でありました。
故・吉原太郎先生のご指導には、いまも感謝致しております。
県によると、2017年の大規模火災当時、同施設の1日の法定保管量は 3,770 立法メートルが上限となっていたものの、その5倍以上の 約2万立法メートルのごみが施設内に野積みされていたことが、エコテックに対する報告徴収により明らかになっています。
なお、その後の県の測量により保管量は、さらに多い約6万4,000立法メートルに修正されました。
当時、私は厚生労働環境委員長の立場から、「大規模火災の要因については、それまでの5年間、現場の状況を認知していながら、結果として状況が改善されず、大量の野積みのごみが放置されていた点にある。なぜ、県は、ごみの搬入を停止させなかったのか。」と指摘するとともに、「エコテックは、エコやリサイクルをうたう中間処理業者のはずだが、実際のところ、中間処理は後回しで、施設内にごみを搬入し続け、大量に野積みしていたという実態が浮き彫りになった。事実上の“違法最終処分場”だ。」と県の廃棄物指導のあり方を厳しく質したわけです。
県は、上限を超えるごみの撤去および適正な処理を求め、2012年 5月22日、「改善命令書」を「エコテック」に交付して以来、「履行(りこう)催告書(さいこくしょ)」を計6回、「厳重注意書」を2回にわたり交付し、改善を求めています。
先ほどから述べています2017年の大規模火災の後も、大量の廃棄物が施設内に放置されていたため、県は2度撤去を求める「措置命令」を出していますが、「エコテック」はほとんど命令に応じていません。
また、県は、「エコテック」に廃棄物を持ち込んだ39業者にも撤去を要請し、このうち31業者は応じましたが、撤去要請に応じていない兵庫県や横浜市などの8業者に対し、2023年12月、『廃棄物処理法』の規定に基づき「措置命令」を発し、計約2万2,000トンの廃棄物を本年6月までに撤去するよう求めています。
しかしながら、現在も大量の産業廃棄物が放置されたままとなっています。
こうした経過を踏まえ、以下、質問します。
Q1.処理業者や排出事業者に対する措置命令などにより、どの程度、廃棄物が撤去されたのか、お答えください。
そして、現在、同施設に残されている廃棄物の総量はどの程度あり、それは、法定保管量の何倍にあたるのかお答えください。
【監視指導課長答弁】
- 令和7年5月末現在で、
- 処理業者であるエコテックによる撤去量が34トン、
- 排出事業者に対する要請による撤去量が7,635トン、
- 措置命令を発出した排出事業者8業者による撤去量が309トン、
- 合計で7,978トンが撤去されています。
- また、現在の保管量は、約3万3,000トンと推計しています。
- これは、法定保管量の約35倍になります。
Q2.次に、措置命令を発出した8業者分の廃棄物は、命令における撤去量に対し、どれくらい残っているのか、お答えください。
また、当該8業者の現在の動向と、今月末までに撤去は完了するのか、お答えください。
【監視指導課長答弁】
- 8業者に対する措置命令により命じた撤去量の合計2万2,162トンに対し、2万1,853トンが撤去されずに残っています。
- 8業者の現在の動向ですが、
- 1業者は、撤去を完了し、命令を履行しています。
- 残り7業者のうち6業者は、履行期限を過ぎましたが、命令は履行されていません。
- また、残り1業者は、履行期限が6月末に迫っているものの、撤去量は、未だに「0」となっています。
- こうした状況から、排出事業者に対する措置命令は、履行されないことが確実な状況です。
冒頭申しましたが、今回の予算案では、行政代執行に係る予算として総額5億5千5百万円余が計上されています。大変、巨額な県税を投じて代執行するわけです。
Q3.そこでお聞きします。 現在、処理業者である「エコテック」の経営状況はどのように なっているのか、お答えください。
【監視指導課長答弁】
- エコテックについては、解散等の手続きを行っておらず、登記簿上、法人は存続しています。
- しかしながら、廃棄物処理業の許可は現在有しておらず、事業場への立入においても、事業活動は確認されておりません。
- また、エコテックに対する措置命令の催告を定期的に行っていますが、その際の聴き取りにおいて、現在の代表者は「お金がない」旨を申し立てております。
- このため、エコテックの経営状況は、事業実態がなく、措置命令を履行する資金等も有していないものと判断しています。
Q4.では、「エコテック」や「措置命令を履行していない排出事業者」に対し、代執行に係る費用の徴収をどのように求めていくのか、お答えください。
【監視指導課長答弁】
- 代執行に係る費用の徴収については、行政代執行後に、廃棄物処理法の規定に基づき、納付命令書を発出し、納付がない場合には、国税滞納処分の例により徴収することとなります。
- 具体的には、エコテック及びその役員、並びに、措置命令を履行していない排出事業者に対し、督促状を送付し、預貯金や不動産等の財産調査を行い、財産が確認された場合は、差押えを行う予定です。
次に、本県内での産業廃棄物の不適切処理に係る行政代執行について、お聞きします。
Q5.まず、事前に「本県の過去の行政代執行の一覧について」の資料を要求しておりますので、説明をお願いします。
【監視指導課長答弁】
- お手元の資料「本県の過去の行政代執行の一覧について」をご覧ください。
- 本県では、7件の行政代執行を行っています。
- これらの行政代執行に係る総事業費は、約28億6,600万円となっています。
- このうち、回収済額は、令和7年3月末現在で約1,300万円です。
- また、債務者の死亡や時効等により不納欠損処理等を行った額が、約11億1,000万円あるため、収入未済額は、約17億4,300万円となります。
Q6.行政代執行費用のうち17億4,300万円余が未済とのことですが、この未済額について、どのように対応、回収していくのか、お答えください。
【監視指導課長答弁】
- 行政代執行の収入未済については、少なくとも年に1回以上、債務者の財産調査等を行い、財産が確認された場合は、差押えを行っています。
- また、一括納付が困難な債務者に対しては、分割納付を継続させ、収入未済の回収に努めています。
- しかしながら、廃棄物処理法に基づく行政代執行は、措置命令を発出したにもかかわらず、命令を受けた者が、当該命令を履行しないときに行うものであることから、行政代執行を行う時点で、既に資金等を有していないことが、ほとんどです。
- よって、債務者に対する財産調査等を行っても、新たに財産を把握できる可能性は低く、収入未済の全額を回収することは、実質、困難な状況です。
- 一方で、措置命令が履行されず、生活環境保全上の支障が生じ又は生じるおそれがある場合、これをそのまま放置することはできないため、行政代執行を行う必要があります。
この間、我が会派は福岡県議会において、本県の産業廃棄物行政を継続して質してきました。
我が会派の前吉村敏男会長の時代から、麻生知事、小川知事に産廃行政を質してきましたし、私も当選1期目から飯塚市内住の産廃問題を幾度となく質問してきました。そのつど、当時の知事は「本県として産廃行政の適正化に務める。」と答弁してきました。
服部知事に変わり、産廃の不適正処理はなくなり、ましてや行政代執行で県の税金が投入されることはないだろうと考えていたところ、今回の「エコテック」の行政代執行です。またかという想いです。
Q6.そこで田村部長にお伺いします。改めて、本県の産廃行政を今後、どのように進めていかれるのか、お答えください。
【田村環境部長】
- 行政代執行が発生しないよう、不適正処理に対し、早期発見、早期是正が重要です。
- このため、県では、
- 安定型最終処分場の掘削調査や、
- ドローンやウェアラブルカメラの導入、
- 監視指導担当職員の人材育成のための研修
- 等により、監視指導の強化を図ってきたところです。
- さらに、指導に従わない事業者に対しては、法に基づき、積極的かつ厳正な行政処分を行ってまいります。
この間、我が会派は産廃事業者の捨て逃げ、やり得くを許さないと主張し続けています。今後、本県において産廃の不適正処理に伴う行政代執行が発生しないよう強く要請し、私の質問を終わります。