福岡県議会「6月定例会」一般質問

2025年6月23日

 民主県政クラブ県議団の原中誠志です。発言通告に従い、一般質問を行います。
 
 まず、1項目の「国民健康保険の収納率向上について」、以下、知事に質問を行います。
 
 国民健康保険、いわゆる国保の加入者は、全国的に見ると旧来は自営業者や農林水産業者が多かったのですが、現在では高齢者や非正規雇用者の増加、所得が低い世帯が増え、加入者の約3割が「所得なし」とされ、平均所得が約145万円という状況です。このため、保険料の支払いが困難な世帯が増加し、徴収率にも影響を及ぼしています。
 
 国保の保険料は、自治体によって多少違いはありるものの、所得割、均等割、平等割により構成されています。
 
 例えば、均等割が5万円の場合、家族が1人増えるごとに5万円ずつ保険料が増加するので、家族が多い世帯は負担も大きくなります。また、所得から基礎控除を差し引いて算定する方式のため、扶養控除や社会保険料控除が差し引かれず、所得が高い世帯の保険料は高くなりがちです。
 
 所得が少ない世帯や子育て世帯に対しては軽減措置があるものの、高所得世帯は「所得割」の負担が大きくなるため、必然的に家族が多く、所得が高い世帯は負担が大きくなります。
 
 現在、国保については高齢者の被保険者が多く、高齢者が病院を受診する回数も多いことから、医療費が高くなる傾向があります。
 
 また、国保の安定的運営を図るためとはいえ、軽々に保険料を引き上げるということはできません。とはいえ、国保特別会計へ際限なく一般会計からの繰り入れを行うこともできません。
 
Q1:そこで、知事にお聞きします。
 まず、本県の国保における、65歳以上の高齢者の、被保険者に占める割合と、医療費に占める割合をお答えください。
 
 併せて、国保を安定的に運営する上での、市町村国保の課題について、知事の認識をお示しください。

【知事答弁】

  • 令和5年度の本県国保における65歳以上の高齢者の割合は、被保険者数では41.5%を占めているのに対し、医療費では57.1%を占めている。
  • このように、国保においては、高齢者の割合が高く、医療費を押し上げる要因となっているほか、無職の方の割合が高く、保険料収入の確保が難しい構造となっている。
      • また、加入者数が少ない市町村では、高額な医療費が発生した場合、保険料の大幅な引き上げが必要となるなど、国保財政の運営が不安定になるリスクを抱えている。今後、少子高齢化の進行や医療の高度化に伴い、一人当たり医療費の増加が見込まれるため、財政運営は一層厳しさを増すことが予想される。
  • このため、県は国に対し、医療費に対する国の負担率の引上げなど、必要な措置を求めているところである。
      • また、財政運営が不安定になるリスクを県全体で分かち合うため、保険料水準の統一の取組を進めることが重要であると考えている。

 次に、国保の財政運営の責任主体が県に移され、早7年が経ったわけですが、保険料の算定や徴収は市町村が行うものの、財政面では県が市町村に医療費等の財源額を割り振る形となっています。
 
 保険料の決定基準や徴収のための取組にバラつきがあり、これらの要因が市町村間の国保の保険料や収納率の差につながっていると指摘されています。
 
 福岡県は今年度から、国保制度を将来にわたって安定的で持続可能なものとするため、福岡県全体の加入者の保険料について「保険料水準の統一」をめざすとしています。
 
 この点については、新政会の代表質問でも取り上げられましたので重複を避けた内容で、質問します。
 
Q2:そこで、知事にお聞きします。
 県内市町村の保険料の算定に収納率がどのように反映されているのか、また、「保険料水準の統一」により、反映の仕方がどのように変わるのかお答えください。
 
 併せて、「保険料水準の統一」をめざす上での収納率に関する課題について、お示しください。

【知事答弁】

  • 国保の保険料は、各市町村が、財政運営に必要な保険料総額を基に、過去の収納実績から想定される未収分を考慮して算定を行っている。
      • このため、市町村が収納率向上に取り組めば、算定の際に、加入者の保険料を低く設定することが可能になる。
  • 保険料水準統一後の保険料は、県が市町村の収納実績を考慮して収納率を設定し算定する。
      • これは、収納率の低い市町村の未収分を、収納率の高い市町村の保険料で賄うことに繋がる。
      • この場合、市町村が収納率向上に取り組んでも、その市町村の加入者の保険料の低下に直接繋がらないため、収納率向上に取り組む意欲の低下が懸念されるといった課題がある。
  • このため、統一に向けては、
    • 市町村間の収納率の差を縮小すること
    • 収納率向上の動機づけに繋がる制度設計や、算定に用いる収納率を適切に設定すること
    • 加入者の皆様に統一することの意義や必要性について、ご理解をいただくこと
    • などについて、今後、市町村と協議を行ってまいる。

 全国的に見ても、国保財政は厳しい状況にあり、徴収率向上の取り組みは必要です。
 
Q3:そこで、この項の最後に知事にお聞きします。
 このようなことから、国保の保険料の徴収率向上に向け、県としてどのように取り組んでいくのか、お答えください。

【知事答弁】

  • 県では、市町村の保険料の収納率向上を支援するため、
    • 滞納者への催告書の送料や、預貯金照会サービスの利用料等、収納率向上に資する経費への助成
    • 電子マネーや暗号資産等の、多様化する資産の差押え手法など、滞納整理に関する研修会の開催
    • 福岡県国民健康保険団体連合会との連携による、効果的な収納方法等について助言を行うアドバイザーの派遣
    • などの取組を実施してきた。
  • 引き続き、こうした取組を進めるとともに、県では、自動車税などにおいて、スマホ決済アプリなど、多様な納付方法の導入が納付率の向上に繋がっていることから、今後、このような収納率の向上に向けた取組について、市町村と協議を行ってまいる。

 2項目は、警察本部長にお尋ねします。
 
 1点目は「外免切替」の見直しについてです。
 
 外国人が母国の運転免許を日本の免許へ切り替えられる「外国免許切替」制度、いわゆる「外免切替」ですが、今日、この制度の問題点がクローズアップされています。
 
 外国人が日本で車を運転しようとする場合、日本の運転免許証を取得するか、国際運転免許証を所持するのが主な手段となっています。そして、外国人が日本の運転免許証を取得する場合、母国の運転免許証を日本の免許証に切り替えられるのが「外免切替」制度です。
 
 国際運転免許証の利用は道路交通に関する「ジュネーブ条約」に加盟する必要がありますが、未加盟のベトナムや中国、ネパール人などは日本の「外免切替」制度を利用している現状にあります。
 
 この「外免切替」が問題視されたのは、本年5月14日、埼玉県三郷(みさと)市で小学生4人が負傷したひき逃げ事件で、逮捕された中国人の男性は、中国で免許を取得、来日後、数年前に「外免切替」で日本の免許へ切り替えていたことが、捜査関係者の話で明らかになっています。
 
 また、本年5月20日、三重県亀山市の新名神高速で乗用車が逆走し、対向車に接触した事故で、逮捕されたペルー人の男性もまた、「外免切替」制度で免許を得ていたことが、これもまた捜査関係者の話で明らかになっています。
 
 わが国では、来日外国人が自国の運転免許証から日本の免許に切り替える「外免切替」が増加傾向にあります。警察庁によると、「外免切替」の年間取得数は2013年の2万8439人から、2024年は約2・7倍増え、7万5905人で過去最多と公表しています。
 
Q1:そこで、警察本部長にお聞きします。
 2022年〜2025年までの間、福岡県内おいて「外免切替」により日本免許証を取得した外国人の数と、その国籍をお示しください。

【警察本部長答弁】

  • まず、人数については、令和4年は1,732人、令和5年は2,226人、和6年は2,430人、令和7年は5月末現在で1,054人、前年同期比プラス47人となっており、増加傾向にある。
  • 次に、国籍については、令和4年から和7年5月末までのいずれの年においても、上位3ヶ国が、ベトナム、中国、韓国の順となっている。

 「外免切替」は、外国人の運転機会を確保するための手続きであり、日本国内で仕事をしたり、または留学で日本に在留中に車の免許が必要など、正当な理由で「外免切替」を行う方も多くいらっしゃいます。
 
 「外免切替」は、一部免除国を除き、知識確認や技能確認の「試験」が行われますが、在留カードを持っていなくても、宿泊先の滞在証明さえあれば試験を受けられ、旅行者が日本に滞在中に「受験」するケースも見られます。
 
Q2:そこで、警察本部長にお聞きします。
 県警が外免切替について、どのように行っているのかお答えください。
 併せて、県警察として、外免切替の今後の運用について、警察本部長の見解を伺います。

 【警察本部長答弁】

  • いわゆる外免切替については、「書類審査」、「適性試験」、「知識確認」、「技能確認」の流れで手続を行っている。
  •  まず「書類審査」については、申請者が提出した外国運転免許証の真正性の確認や旅券や在留カード等の書類の審査をしている。
  • 次に「適性試験」については、視力、聴力、運動能力などが基準を充足しているか否かを検査している。
    • 「知識確認」については、正誤式の問題により、日本で運転するために必要な知識を有しているか否かを確認している。
  • 最後に「技能確認」については、実際に試験場の自動車等を運転してもらい、必要な運転技能を有しているか否かを確認している。
  • この手続を全て通過した申請者に対して、日本の運転免許証を交付することとなる。
  • なお、日本と同等の水準にあると認められる免許の制度を有している外国等の運転免許保有者は、「知識確認」及び「技能確認」が免除される。
  • 現在、普察庁がいわゆる外免切替制度の在り方について検討を行っていると承知している。
  • 県察としては、この検討の状況を把握しつつ、書類審査、知識及び技能の確認等については、現行の手続に基づき、適正に行ってまいる。
  • また、今後、いわゆる外免切替制度が見直された場合には、その見直しのために必要な手続を着実に進めてまいる。

 続いて、2点目は、少年育成指導官、少年の継続補導についてお尋ねします。
 
 私は現在、保護司をやっていますが、少年が殺人事件に係る事件が起こるたび、切なくて、胸を締め付けられる思いです。
 
 本年5月11日、千葉市若葉区の路上で高齢女性が背中を刃物で刺されて死亡した事件がありましたが、千葉県警は翌5月12日、同区内に住む中学3年生の男子生徒15歳を殺人容疑で逮捕しました。
 
 捜査関係者の話によると、少年は家族に対するストレスなどを犯行の理由にあげ、「複雑な家庭環境から逃げ出したかった。イライラしてやった」、「家を出て、長く少年院にいるために、刃物で人を殺した方が確実だ。」と述べたとの事です。
 
 千葉県警によると、少年の父親は事件前から少年の家出などについて県警に相談しており、県警は問題行動の改善に向けて指導や助言をする「継続補導」を実施しており、少年は「少年補導職員」と複数回の面談もしていたといいます。
 この事件を受け、専門家や評論家によるマスコミ報道では、「事件前に保護者から警察に家出などの問題行動の相談があり、継続補導中だった。家族が少年の不安定な言動を心配して、家族なりにいろいろとケアしていた。少年の事件は必ず兆し(きざし)が多い。物を傷つけたり、小動物を傷つけたりとかが多い。見守りを強めていくのが親だけでは足りないので、県警から継続指導が行われていた。それなのに、こうした殺人事件に至ったのは、継続補導の在り方に問題があったのでは。」と指摘される向きがあります。
 
 県警察においては、「少年補導職員」の中に「少年育成指導官」という職員がいると把握しています。
 
Q1:そこで、警察本部長にお尋ねします。
 この「少年育成指導官」とはどのような職員で、どのような資格を有しているのか、お答えください。
 併せて、日常的にどのような警察活動を行っているのか、お答えください。

【警察本部長答弁】

  • 県察では、普察本部少年課に察行政職員である少年補導職員を配置しており、その中でも、特に少年の特性及び少年や保護者等への適切な対応に関する専門的な知識・技能を有する職員を少年育成指導官に指定している。
  • 同指導官は、公認心理師や社会福祉士などの資格を有し、警察本部少年課の附置機関である県内5ヶ所の少年サポートセンターに所属しており、少年に対するカウンセリング等に必要な専門知識を活かして、児童相談所などの関係機関やボランティア団体と連携し、少年自身や保護者などからの相談対応、立ち直り支援、非行防止教室をはじめとする広報啓発などの活動を行っている。

 いま、お尋ねしました「少年育成指導官」と合わせ、同様に「少年補導員」ということもよく耳にします。
 
Q2:そこで、警察本部長にお尋ねします。
 「少年補導員」というのはどのような方で、どのような仕事を担われているのか、お答えください。

【警察本部長答弁】

  • 少年補導員は、察署長から委嘱を受け、少年の非行防止、健全育成のためのボランティア活動を行う方々であり、居住地域を中心として、
    •  喫煙や深夜はいかいをしている少年への指導・注意
    • ・児童生徒の安全確保に向けた学校周辺や通学路における見守り
    • などの活動を、熱意を持って取り組んでいただいている。

 この質問の冒頭、千葉市の少年事件にあたり、「少年の継続補導」について述べました。
 
Q3:そこで、警察本部長にお尋ねします。
 この「継続補導」とはどのような活動なのか、お答えください。
 併せて、2022年中から2025年中に「継続補導」を実施した人数や取り組み状況についてお答えください。

【警察本部長答弁】

  • 県察では、少年相談や街頭補導活動を通じて関わった少年に対し、本人や保護者等の申出に応じて、指導・助言等を行う継続補導を実施している。
  • なお、継続補導を実施した人数につきましては、和4年中は365人、令和5年中は338人、和6年中は298人となっている。
  • また、本年は5月末の時点で161人となっており、これらの継続補導を通じて、農作業や清掃などの体験活動への参加促進、修学・就労支援等を行い、少年が再び非行に走ることのないよう、立ち直りを支援する活動に取り組んでいる。

 この項の質問の最後に、継続指導中の少年の立ち直りに向けた今後の取り組みについて、警察本部長の見解を伺います。
 以上、真摯な答弁をお願い致します。

【警察本部長答弁】

  • 継続補導を実施している少年の中には、社会で生活していく上で、家庭や学校に関する様々な問題を抱えているケースが少なくないことから、少年の立ち直りには継続的に支援していくことが極めて重要である。
  • 県管察としては、少年サポートセンターに所属している少年育成指導官を中心に、問題を抱え非行に走る可能性がある少年及びその保護者に対して普察から連絡し、医療機関や立ち直り支援を行っているNPO等との協働による活動も念頭に、一人ひとりに寄り添いながら少年が再び非行に走ることのないよう、引き続き立ち直りを支援する活動に取り組んでまいる。

 知事に1点、要望致します。
 
 2024年12月2日より、現行の健康保険証は原則廃止され、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」が保険証として機能するようになりました。
 「マイナ保険証」の導入により、国保や後期高齢者医療制度で発行している「短期被保険者証」の仕組みも廃止となりました。
 この「短期被保険者証」とは、保険料未納者への措置として、保健資格は維持しつつも有効期限の短い保険証(3か月)を交付する制度です。
 「短期被保険者証」はこれまで、市町村の収納対策担当課等との「納付制約(計画)」に基づき、おおむね毎月の被保険者証の更新時に納付を促すことで、滞納解消を図ってきました。
 医療アクセスの制限を行いながら納付を促すという役割を担ってきたわけです。
 この「短期被保険者証」の廃止により、市町村の担当者が滞納者と面会して納付を促す機会が減少し、これが収納者の減少につながるのではないかと危惧する声もあります。
 今後、「マイナ保険証」の普及が進むと思います。また、「保険料水準の統一」の取り組みを進めていくということですので、県は市町村としっかり連携・協力し、県全体の収納向上に取り組んで頂くよう要望し、私の一般質問を終わります。